2016年10月1日土曜日

2016 劇団通信10月号

読売新聞の「編集手帳」というコラムに次のような一文があったので抜粋転載します。

『「青い山脈」や「長崎の鐘」などで知られる歌手の藤山一郎さんは少年の頃、勉強が苦手だったらしい。慶応普通部を卒業するときの成績は52人中51番だったそうだ。◆ちなみに52番が「芸術は爆発だ !」の岡本太郎さんであったという。かろうじてビリをまぬかれた藤山さんは東京音楽学校(今の東京芸術大学)に進み、こちらは首席で卒業している。◆尻を叩かれても咲かなかった花が、巡る季節には黙っていても咲く。何の分野であれ、才能とはそういうものなのだろう。』 

劇団の子ども達を見ていて才能がやがて花開くだろうと思う子がいるのに、学校の成績が良くないからとか、受験勉強第一という理由であっさり劇団を辞めさせてしまう親が多いのには愕然としてしまう。

週に一度の稽古日がそれほど勉学に影響するものなのか。劇団を休まないでも立派に受験を乗り越えて高校や大学に入った子もいるし、それよりも折角花咲く才能をもっているのに、そのつぼみを摘み取ってしまう親としての責任を感じないものなのか。

子どもがやりたいこと、好きなことへの道を進ませてやらないで、通り一遍の無難な道を選び、それが子どもの幸せだと決めつけているように思えてならない。

サラリーマン川柳で『親のゆめつぎつぎ消して子は育つ』とあるが、それがごく普通の、幸せな家庭の風景である、と新聞のコラムは言っている。
親は出来るだけ子どもには苦労させたくないと思うが、苦労はした方がいい。失敗もした方がいい。その体験が多い程人間性が豊かになり魅力も増してくる。

親自身が自らの若い頃を振り返ってみることも大切だ。