2016年12月24日土曜日

2016 劇団通信11月号

先月9月の終わりに劇団のスタッフ3人で香港に行った時、バレエスタジオを経営している日本人の女社長の話を聞いて失敗を恐れない前向きな生き方に強い衝撃を受けてしまった。

幼い頃からバレエ一筋にやってきた人だが香港に来るまでは日本で少し役者の勉強もし、上海に渡って演劇学校にも通い、香港に来てからは貸しスタジオを転々としながらも自分のバレエ教室で指導に当っていた。しかし毎回スタジオを押さえるのも簡単ではなく思い切って自分のスタジオを持とうと決意、同じ持つなら香港の一等地がいいと一般的には不可能とも思える強い夢を描き、その実現のためにはどうすればいいか、考えに考えた末に思いついたことが並の人には出来ない無謀な挑戦というべきものだった。

先ずネットで「香港で大成功した日本人」を検索し、その結果これだ !! と思う人がネット上に現れたが、その人はあまりにも大物過ぎてどのように近づいていったらいいか分からない。いろいろ試みあの手この手で何度アタックしても断られ、それでも最後は退路を断ち切られた開き直りでぶつかっていったという。

その執念が実り香港の一番の繁華街、地下鉄の駅の真上という最高の立地条件に小さいながらもスタジオを構えることが出来た。我が劇団とも共通する「青い鳥」と「夢」という標語を掲げ、3人のお子さんがいる溌剌とした30代のお母さんでもある。そしてこの人を紹介してくれた心強い方とその仲間の方達が協力し合って来年香港で子どもミュージカルの第1回公演が出来そうな雰囲気になってきた。

ちょっとしたある人との会話から思わぬ方向にトントン拍子に広がって行った不思議な展開、神の粋なお計らいに感謝せずにはいられない。